WEEKLY STAR OF BBA
B6判/34ページ/500円(Kindle版は300円)
40代女の日記です。誕生日の旅行で夫が捻挫して歩けなくなったり突如ニンテンドーSwitchを買っておっかなびっくりRPGを始めたり、夏の日々を綴っています。
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2週間前、夫が捻挫した。
私の誕生日で海辺のホテルに泊まりに行き、ちょっといいレストランにディナーへ歩いて向かう途中で足をぐにゃりとやった。ごはんを食べてホテルに戻るところまでは痛がりながらも何とかできていたのだが、そこからどんどん酷くなって寝ようとした頃にはもう足を地面について歩くことができなくなっていた。
一応、私が持っていた鎮痛剤を飲ませたが結局痛みでほとんど眠れなかったらしい。翌朝起きて朝食に誘っても断られた。具合が悪くても食べて治すと言い張る男が。一大事だ。起きたら近くのドラッグストアが開くのを待って湿布やサポーターを買ってやろうと考えていたが、そんなの待っていられない様子で一秒でも早く病院に行きたがる。それにしたって、歩けないのでは部屋から出てタクシーに乗ることもできない。
どうしたもんかと悩みつつ一人で朝食会場に向かい、パンとコーヒーを堪能してからフロントにいた男性に相談した。連れが足を捻挫しまして。どうも歩けないみたいなんです。もしあればで良いのですが、車椅子をお借りできないでしょうか。あと、タクシーを呼んでもらえませんか。
フロントの男性は気の毒がってくれて車椅子のご用意はできると思います。タクシーも呼べるので、準備ができたらお部屋にお電話しますね、と請け合ってくれた。ビジネスホテルをちょっとリゾートチックにした位のホテルだったので、まさか車椅子を借りられるとは思わなかった。おんぶして運ぶしかないだろうなと覚悟していたので本当にありがたかった。
しばらく部屋で待っていると、フロントの男性が車椅子を持ってきてくれた。しかも、下まで移動をお手伝いしますと申し出てくれる。なんてありがたい。お言葉に甘えてお任せすると、非常に手慣れた様子でスルスルと車椅子を動かして、難なくロビーに下りることができた。あまりにも上手なのでご経験があるんですか、と聞いたら前職が介護職だったそうだ。どうりで。というか、ホテルには普通置いてなさそうな車椅子が用意できてしかもそれを使うプロまでいるって。まるで準備されていたかのような段取りだ。
チェックアウトを済ませ、○円以上ご利用の方へホテルからのプレゼントと言われた日本酒もちゃっかり受け取りタクシーに乗り込んだ。タクシーの運転手さんにどちらまで、と聞かれてもしご存知だったらでいいんですけど…と持ち掛ける。この辺でおすすめの整形外科ってありますかね?
少し考え込んだ運転手さんの様子を見て、無茶振りしたかな、と申し訳なく思い知らないですよねぇそんなのと言おうとしたところで運転手さんがあの、個人的な感情も入っちゃうんですけど…と口を開いた。自分が通っているところなんですけど、駅から少し離れるんですけど、それでもいいですか?
まさか本当にお勧めが、しかもお客さんの口コミとかじゃなくてご本人が通っているお勧めが出てくるとは思わなかった。ぜひお願いします、ということで運転手さんお勧めの病院に到着。受付開始の三十分前にも関わらず病院の入り口には既に順番待ちの列ができていた。常連さんらしき年寄りの間に並び、その中の一人が出勤してきた看護師さんに声を掛けてくれて夫はすぐ車椅子に乗せてもらって待つことができた。病院が開き、受付してからおよそ1時間後、骨に異常は見当たらず少しこじらせた捻挫と言うことで松葉杖をお借りして家までどうにか帰ることができた。
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